掌篇★ガチャポン

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三百字小説『だんす』

 しゅるしゅると蛇の這う音がする。

 午睡から醒めた僕は、寝惚けまなこで扉の隙間から外を覗いた。
 白足袋の爪先が翻り、ふくよかな腕が宙を舞う。
 蓄音機から流れる円舞曲に合わせて、お母様が畳の上で軽やかに踊る。加賀友禅の裾を絡げ、結った鬢を乱して。見知らぬ紳士に抱かれてくるくると回る。

 柔らかな天鵞絨、冷たい麻、滑らかな絹の狭間で、僕はうっとりと外界を眺める。樟脳と白粉の匂いのする子宮で、円い帽子箱に頭を預けて。
 ここに居ない筈の僕は、洋箪笥の内で夢を見る。
 しゅるしゅると帯が解かれ、さらさらと黒髪が雪崩れる。
 衣擦れの音とお母様の香りに包まれて、僕はたゆたゆと瞼を閉じる。
 刹那、柳行李の中の妹が、くしゃみを一つ。

『遊歩人 08/5 73号掲載』

■■■■■■■■■■ 

 久しぶりに、『遊歩人』に掲載して戴きました。最近は余り三百字を書いていませんでしたが、三百字を書いていたお陰で八百字や千二百字を比較的すんなりと書けた気がします。
 どの長さでも、大体倍の長さで書いてから半分位に削ります。短い物に馴れるとついつい文章を圧縮したくなるんですよね。「ああ、ここが削れる!」 とか嬉々として。(笑)

 ところで、お友達に筋肉少女帯のコンサートに誘って戴きました!
 何を隠そう、大槻ケンヂ氏の小説『ステーシー』が恋愛小説の中では一番好きなので非常に楽しみです。「大槻ケンヂは正統派の純文作家だ」と言ったら、友人に苦笑されてしまいました。何故でしょう?
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